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松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.
Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05
被引用回数:6 パーセンタイル:55.31(Multidisciplinary Sciences)fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。
千葉 敦也; 宇野 定則; 大越 清紀; 山田 圭介; 齋藤 勇一; 石井 保行; 酒井 卓郎; 佐藤 隆博; 水橋 清
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.358 - 360, 2006/01
TIARA静電加速におけるビーム発生・照射技術の開発に関する4つのテーマについて報告する。(1)透過型ビーム減衰器と透過型ビームモニターを組合せ、試料へのイオンビームの注入量を自動制御して一定に保つビーム電流安定化技術の開発を行い、ビーム電流を2%程度の誤差で長時間維持することに成功した。(2)シングルエンド加速器のマイクロビームラインに、新たな機能としてビーム走査制御用PCに設定したパターンを任意の倍率で試料上に描画照射できるシステムを開発し導入した。(3)シングルエンド加速器の電圧測定抵抗を放電の影響を受け難いと考えられる無誘導型の精密高抵抗に置き換えた。電圧測定精度や電圧安定度に変化が生じていないことを共鳴核反応を用いた測定電圧の校正及びビームエネルギー幅の測定により確認した。(4)Feイオンの生成試験を、イオン注入装置に搭載されたECRイオン源によりMIVOC法を用いて行った。その結果、6価までを1eA以上の電流で生成及び加速することに成功した。
勅使河原 誠; 原田 正英; 斎藤 滋; 菊地 賢司; 粉川 広行; 池田 裕二郎; 川合 將義*; 栗下 裕明*; 小無 健司*
Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.154 - 162, 2005/08
被引用回数:10 パーセンタイル:56.65(Materials Science, Multidisciplinary)大強度陽子加速器計画(J-PARC)では物質・生命科学施設として核破砕中性子源の建設が進められている。早い時間減衰を持ったパルス中性子ビームを得るため、非結合型及びポイゾン型減速材を用いる。これらの減速材はデカップラと呼ぶ熱中性子吸収材を用いる。炭化硼素(B4C)が多く用いられてきた。しかしながら、MWクラスの中性子源では(n,)反応のHe生成を起因とするスウェリングのため使用が困難である。そこで、B4Cに似た特性を有するヘリウム生成を伴わない共鳴吸収型の材料としてAg-In-Cd系の合金に着目した。この合金をCdの焼損の観点からAg-Cd及びAg-In合金の2枚に分割する。熱除去及びコロージョンの観点から減速材の構造材であるアルミ合金(A6061-T6)と密着される必要がある。そのため、Ag-In, Ag-Cd合金とアルミ合金とに十分な接合を得ることを目的として、熱間等方加圧接合(HIP)を用いて接合試験を行った。温度: 803K、圧力: 100MPa、保持時間: 1時間で十分な接合が得られた。特に、Ag-In板をAg-Cd板で挟み、それをアルミ合金で被覆した条件がより良い接合となった。拡散層部には非常に硬い層が観測されたが、接合部の破断応力は設計応力の20MPaを越える値であった。
大坪 隆*; 大矢 進*; 堀 一隆*; 木村 浩之*; 谷内田 聡*; 後藤 淳*; 出淵 崇志*; 武藤 豪*; 長 明彦; 小泉 光生; et al.
Hyperfine Interactions, 120-121(1-4), p.695 - 699, 1999/00
偏極した不安定核ビームは電磁気モーメントの観測による原子核構造研究のみならず、物質中の稀薄な不純物の効果などの研究に有用である。この目的の不安定核ビームの生成法として微小角度入射したイオンビームの表面相互作用法を研究した。TIARAのオンライン同位体分離器を用いてArビームとMoターゲットとの反応で生成したCs(半減期:31秒)の一価イオンを60keVに加速し、Si結晶表面と相互作用させてから、KBr結晶に注入した。線を検出する核磁気共鳴法により、0.220.13%という偏極度を得た。安定な軽い核で得られている偏極度に比べて小さい原因として、イオンの速度が影響していると考えられる。
小泉 光生; 長 明彦; 関根 俊明; 久保田 正志*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 126(1-4), p.100 - 104, 1997/00
被引用回数:8 パーセンタイル:56.73(Instruments & Instrumentation)核反応生成物を迅速に質量分離して取出すオンライン同位体分離器用イオン源として、レーザー共鳴イオン化法によるイオン源の開発を進めている。レーザー共鳴イオン化による元素選択性と質量分離により、目的各種を純度良く分離できる可能性がある。高温のイオン化室内を飛行する原子を効率良くイオン化するため、レーザーの照射体積を大きくする凸レンズを組込んだイオン源を試作した。オフライン実験において、このイオン源は短パルスでイオンを引き出せることが分かった。
大久保 牧夫
Physical Review C, 53(3), p.1325 - 1335, 1996/03
被引用回数:6 パーセンタイル:38.03(Physics, Nuclear)複合核の時間発展と回帰性をとり込んだ中性子共鳴核反応の半古典モデルを開発した。多振動子系の平均回帰周期を、励起エネルギーと関与した振動子数の関数として導いた。位相誤差1ラジアンとした。観測される中性子共鳴複合核について、振動子数、核温度を得た。これらは従来の値とよく一致した。複合核共鳴反応の時間発展について核表面で瞬間的に中性子密度の高い癒着位相を定義した。癒着位相は回帰周期ごとに出現し、共鳴寿命10sまで続く。癒着位相のフーリェ変換により核反応S-行列を得た。これより中性子断面積として、等間隔微細共鳴群及び包絡線を形成する巨大共鳴が得られた。三重の不確定関係が得られた。また共鳴領域から連続領域への転位が自然に得られた。
岡嶋 成晃; 大井川 宏之; 安藤 真樹; 向山 武彦
Proc. of 9th Int. Symp. on Reactor Dosimetry, 0, p.172 - 179, 1996/00
高速炉の安全性において、負のフィードバック効果として重要なドップラー効果の高温域での予測精度向上を図るために、FCAにおいて2000Cまでのドップラー効果測定を行った。測定には、(1)サンプル加熱・反応度価値変化測定法(1500Cまで)と(2)箔加熱・反応率変化測定法(2000Cまで)を用いた。ドップラー効果の中性子スペクトル依存性を調べるために、組成の異なる3つの体系において、測定を行った。解析では、共鳴遮蔽効果を正確に計算する超詳細群セル計算コード(PEACO-X)を用いた。サンプル加熱法によるドップラー反応度は一次摂動法により求めた。箔加熱法による反応率変化は、基本モードが成立していると仮定して、PEACO-Xと従来のセル計算結果から算出した。これらの計算には、核データとしてJENDL-3.2を用いた。計算は、ドップラー反応度では実験値を若干過小評価し、反応率変化では実験値と良い一致を示した。
加藤 敏郎*; 緒方 良至*; 原田 秀郎*; 中村 詔司*; 関根 俊明; 初川 雄一
Global 1995,Int. Conf. on Evaluation of Emerging Nuclear Fuel Cycle Systems, 2, p.1552 - 1559, 1995/00
長寿命の核分裂生成物の消滅に関する基礎データとして、著者らがこれまでに行った中性子捕獲断面積測定実験の方法と結果をまとめた。対象核種はCs、Sr、Tc、Iである。放射化学的方法によってターゲット核種及び生成核種の原子数を求め、断面積を決定した。原子炉中性子照射では、ターゲットをカドミウム箔でカバーした場合と、しない場合の両方を行い、熱中性子断面積と共鳴積分を求めた。
B.P.Kochurov*
JAERI-Review 94-002, 161 Pages, 1994/08
この報告は研究者招聘制度によって原研に3ヶ月滞在した間に行った非均質炉理論の講義をまとめたものである。新解法では、まず単極あるいは双極近似を採用して原子炉方程式を階差式に変換し、エネルギーと空間を変数とする格子パラメータに関する統一的な理論を展開した。さらに一般的な双極近似を用いた少数群非均質炉理論を2次元問題から有限フーリエ変換により3次元問題へ拡張した。この方法に基づいて燃焼、制御棒の移動やゼノン毒作用のような遅い事象や即発遅発中性子に依存する速い事象の模擬を扱う3次元空間依存動特性コードを開発した。これによって軸方向に非均質的な数千のチャンネルを有する原子炉の解析が可能となった。
菊池 康之; 関根 信雄*
JAERI-M 85-101, 195 Pages, 1985/07
天然および同位体ニッケルの中性子核データの評価を行った。評価した量は10eVから20MeVにわたる全断面積、弾性および非弾性散乱、捕獲、(n,2n)、(n,3n)、(n,p)、(n,)、(n,n′p)、(n,n')反応の名断面積、共鳴パラメー夕、二次中性子の角度及びエネルギー分布である。評価は球型光学模型や統計模型を利用しつつ、最近の実験データに基づいて行った。JENDL-1のベンチマークテストの結果も考慮に入れた。特に注意を払った点は、共鳴領域のバックグランド断面積、数MeV以下の非分離共鳴領域の共鳴構造、天然ニッケルファイルの非弾性散乱レベルのグループ化である。今回の評価結果はJENDL-2に採用されている。
菊池 康之; 関根 信雄*
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(5), p.337 - 357, 1985/00
被引用回数:5 パーセンタイル:59.78(Nuclear Science & Technology)抄録なし
荒川 和夫; 瀬口 忠男; 杉浦 俊男*
質量分析, 29(3), p.257 - 265, 1981/00
質量分析計を用いて蟻酸の負イオン-分子反応について調べた。質量分析計のイオン源内の圧力を上昇させるとイオン-分子反応によりM/e91のイオンが生成し、このイオンはHCOOイオンと蟻酸の中性分子により HCOO+HCOOHHCOOHCOOHの反応により生成していることを見い出した。この反応には解離共鳴電子捕獲過程と高エネルギー電子過程の二つのプロセスがあり、それぞれの反応速度定数は(6.81.5)10cc/molecule・secと(1.30.5)10cc/molecure・secと求められた。また、高エネルギー電子過程の生成イオンの圧力依存性(みかけ上7次)についても説明した。
関根 俊明; 馬場 宏
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 40(12), p.1977 - 1980, 1978/00
被引用回数:7金属ニッケルを原子炉中性子で照射して、NiとNiの収率を決定した。Niの二重中性子捕獲によって生成したNiの収率から、Ni(n,)Ni反応の熱中性子断面積として22.00.8barnが得られ、その共鳴積分は60barn以下と結論された。また、核分裂中性子によって引き起こされるNi(n,2n)Ni反応の断面積は3.80.5barnと決定された。この(n、2n)反応に関して、その断面積を予測する簡単な経験式を導いた。この式はこれまでに提案されている式よりも正確に実験値を再現できる。
国枝 賢
no journal, ,
BNCT等の中性子源開発のために、リチウムに対する陽子入射の評価済み核データが必要とされている。本研究では、R行列理論計算コードにクーロン散乱およびクーロン・原子核干渉項を導入し、荷電粒子入射反応の計算を行えるように改良した。そして、陽子弾性散乱や中性子生成微分断面積の測定データを同時に解析し、約10MeVまでの領域においてLiに対する核データ評価を行った。これらの結果は、高エネルギー核データライブラリJENDL/4.0Hに収録予定である。